宝塚市民の皆さん、こんにちは。宝塚警察署長の中井です。
街路樹も色づき始め、秋の到来を感じるこの頃、皆様には、お変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、この宝塚市内の犯罪情勢ですが、依然として、特殊詐欺の被害が多発しており、令和8年8月末現在、被害件数86件(前年同期比+22件)、被害金額6憶1,224万円(同+3憶5,207万円)と、被害件数、被害額ともに大きく増加しています。
特殊詐欺の被害を類型別でみますと、ニセ警察詐欺23件が最も多く、以下、
○ SNS型投資詐欺 21件
○ SNS型ロマンス詐欺 16件
○ 還付金詐欺 10件
○ オレオレ詐欺 7件
○ 架空請求詐欺 5件
○ キャッシュカード詐欺盗 4件
の順となっており、SNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺、ニセ警察詐欺の3類型で、被害件数60件と全体の約70%を占め、被害金額も約5億4,000万円と全体の約90%を占めています。
SNS型投資詐欺とは、SNSの広告等を利用し、投資をすれば利益が得られるものと誤信させ、投資アプリに誘導するなどし、アプリ上で虚偽の利益を表示する方法などにより、心理的な安心感を与え、架空の投資を継続させながら、投資金名目やその利益の出金名目などで金銭等を騙し取る手口です。
当署での被害者の年齢層は20歳代から70歳代まで幅広く、被害者自身のネットバンクからの振込みや、現金を暗号資産に換金して被疑者の指定したアドレスに送るなど、お金を騙し取る方法は様々であり、また、一度、騙されると、被害期間が長くなり、被害額も高額になることが多くなることから、注意が必要です。
その手口を具体的に説明しますと・・・
① 投資に興味ある方が、SNSの広告や有名芸能人を騙ったアカウントを見てアクセスしますと、LINE等の投資グループに誘導されます。
② LINE等において、グループ内の「サクラ」となっている者が、「指南役の○○さんのお陰で、大儲けしている。」などの、嘘の投稿を行うことにより、騙そうとします。
③ 指南役等から、最初は、少額の投資を勧められ、投資を開始します。
すると、ニセのチャートが示され、一般の相場では考えられない利益が出ていると説明され、投資を増額することを勧められます。
➃ そうして、投資を続けていると、投資額は、500万円となりました。
犯人から示されたチャートを確認しますと、500万円の投資金が5,000万円となっており、「指南役の言うことは間違いない。」と思い、更なる投資を続けます。
⑤ 投資額は3,000万円となりました。
もう十分な利益を得ることができたので、出金しようとすると、「お金を出すためには、手数料を400万円払う必要があります。」と言われ、400万円を入金しましたが、出金することができません。
⑥ さらに、相手方から、「税金を300万円支払ってください」と言われ、これ以上、お金を支払うことができないと伝えると、出金できず、相手方との連絡が取れなくなり、詐欺に遭ったことに気づきます。
冷静に考えますと、500万円の投資が、短期間に5,000万円になるはずはないと思うのですが、実際は、多くの方が被害に遭っています。
私は、普段、買物をするとき、3,000円の服を買うのか、4,000円の服にするかで迷うことが度々あるのに、自動車など、高価なものを買うときは、予算が280万円と思っていても、380万円の自動車を値引きして320万円してくれるなら、予算をオーバーしても、その差額を気にすることなく買ってしまうような気がします。
これは、普段、自宅や自動車購入など、高いお金を使うような、日ごろ体験することがない世界では、多くの値引きで得した気分となり、金銭感覚がマヒするためです。
詐欺師は、このような人間の心理にうまく入り込んで、非日常的な世界に引きずり込み、500万円の投資が、短期間に5,000万円なるなど、うまく金銭感覚をマヒさせて、皆さんの大切なお金を巻き上げているのです。
では、どうすれば、被害に遭わないようにできるのでしょうか。
昔から言われているとおり、このような「うまい話には裏がある。」と、疑いの目を持つことが、詐欺に遭わないためには重要となります。
そのためには、投資にかかる詐欺で、多くの人が騙されていることやその具体的な手口を、一人でも多くの方に知ってもらう必要があります。
警察も工夫して、皆さんが詐欺に遭わないよう広報啓発を行っていますが、一人でも多くの方が、このような特殊詐欺の手口や防止方法等の情報に関心を持っていただくことで、被害に遭わないことを心から願っています。